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▼コラム
持続可能な移行。今、そして未来の緊急性への取り組み。
先日、ダボスで開催されたWEFサミットで注目された言葉のひとつに、「Polycrisis」がありました。今多くの危機が同時に発生し、ロシアのウクライナに対する侵略、気候変動など、あらゆることに暗雲が立ち込めています。2021年から2022年にかけて、世界の排出量は炭素換算で510億トンから520億トンに増加しました。
一方、ビル・ゲイツは毎年恒例の "look ahead "の機会を捉えて、より楽観的な見解を示しています。現在実行可能なこと、そして将来可能になることがあり、「公平で持続可能な移行は、忍耐を必要とする長期的なプロジェクトである」ことを私たちに再認識させています。つまり、成功は何年、何十年という単位で測られるのです。
例えば、建築環境は二酸化炭素排出の大きな原因となっています。グリーンセメントやグリーンスチールは、まだ現実にはほど遠い状態です。プラスチックの代替品も、まだスケールアップできる状況ではありません。 ただ、こうした問題に取り組んでいる素晴らしいイノベーターがたくさんいます。政府や市場がそうしたイノベーターを評価し、支援することが重要だと考えます。 これらの課題はディープテクノロジーがチャレンジしている最たるものであり、解決し、スケールアップするためには何年もの研究と投資が必要です。
しかし、だからといって現時点でできることが何もないわけではありません。私たちは、グリーンセメントやカーボンゼロのプラスチック代替品など、将来の画期的なソリューションに焦点を当てると同時に、現在のソリューションにも目を向けなければなりません。現在とネット・ゼロの未来との間のギャップを埋めるための技術やソリューションです。
SDGインパクトジャパン(SIJ)でもその一端を担おうとしています。 例えば、SIJではパートナーであるニュージーランドのIcehouse Venturesとともに、Nilo社やZincovery社に投資を行っています。Nilo社はプラスチック廃棄物を再利用可能な資源に変換する技術を有する素晴らしい企業で、この技術はプラスチックに代わるものではありませんが、プラスチック廃棄物の問題を解決することができます。Zincovery社は鉄鋼生産において巨大で炭素集約的な課題である亜鉛のリサイクルを脱炭素化する技術を有しています。
また、SIJのパートナーであるユニゾン・キャピタル・グループでも、インドで生まれたIdeation3Xという有望なイニシアチブを支援しています。これは、低炭素の固体廃棄物管理ソリューションで、インドでは地方政府からの支持を集めているところです。
私たちは、前述のような現在取り組めるソリューションを支援するとともに、核融合や水素を利用したエネルギー源、グリーンセメントなどのカーボンゼロ建材、量子コンピューターによる持続可能な新素材など、より大きなブレークスルーとなる長期的な解決策を育み続けなければならないのです。
そしてこの度、SIJはユニゾン・キャピタル・グループとともに、循環型経済と持続可能なディープテック・ファンドに焦点を当てた新しい成長段階の大規模な投資イニシアチブを、アジア太平洋地域に向けてまもなく開始する予定です。 私たちは、このような投資が、初期のアーリーステージ投資の後に成長資金を提供することが、市場の需給ギャップを埋めるものだと考えています。そして、この激動の経済状況において、持続可能な未来への投資がより一層重要であると強く感じています。
現在と未来の緊急性のなかでの優先課題および優先技術を特定し、炭素に依存する世界の現実と、炭素のない未来への希望に対応するソリューションの規模拡大を目指します。また、そのためには、皆で協力し合うしかないと考えています。この活動、そしてこの新しい投資イニシアチブにご興味をお持ちいただける方は、ぜひご連絡ください。
株式会社SDGインパクトジャパン
Co-CEO Bradley J. Busetto
▼イベント・セミナー
2/15 カーボンクレジットの最新動向と企業の活用戦略
ご好評いただきました、昨年12月に開催の当社の気候変動専門家・栗田永幸によるウェビナーの録画を配信いたします。カーボンクレジットの動向と今後の展望を理解し、脱炭素に企業や金融機関がカーボンクレジットをどのように活用してばいいのかを考える機会にできればと思っています。
配信日時:2月15日(水) 12:00-13:00
開催方法:オンライン(Zoom)
※ Q&Aのみ当日講演者がライブ回答いたします
詳細&お申し込みはこちら:https://carboncredit2.peatix.com/
3/1 企業価値を追求する新たなESGエンゲージメント投資
企業のファンダメンタル分析においてESGが欠かせなくなってきています。企業側は「ESG経営」「インパクト会計」などの導入を通じ、サステナビリティの取り組みを財務的価値につなげることを模索しています。SDGインパクトジャパンでは、ESGアドバイザーを務めるNextGen ESG Japan戦略のエンゲージメント活動を通じて、投資先企業の企業価値向上に資するESG項目を特定し、投資先企業と一緒に改善促進に取り組んでいます。
当セミナーでは、ESGと財務価値の関係性の考察と実際のケーススタディのご紹介を予定しています。
開催日時:3月1日(水) 11:30-13:00
開催方法:オンライン(Zoom)
詳細&お申し込みはこちら:https://integratedvalue.peatix.com/view
AgFunder/Growインパクトアクセラレーター第4期生募集のお知らせ
SIJの戦略パートナーであるAgFunder/Growがシンガポールで開催されるインパクトアクセラレーターの第4期生の募集を開始しました。より持続可能で信頼性の高い食農システムの構築に取り組むアグリフードテクノロジーを有する世界各国のスタートアップ企業を募集しています。
詳細はこちらをご覧ください
https://agfundernews.com/apply-to-the-2023-agfunder-grow-impact-accelerator
▼SIJの活動状況・ニュース
ユニゾン・キャピタル・グループとの戦略的提携に関するお知らせ
当社とユニゾン・キャピタル・グループは、インド・太平洋地域において持続可能な社会の促進に向けた課題解決を目指す革新的なベンチャー企業への成長資金提供を行うファンドの組成と、持続可能な社会に向けた課題と機会について議論し、ベンチャー企業を支援するためのフォーラムの設立を目的とした基本合意書を締結しましたのでお知らせします。
詳しくは以下のリリースをご覧ください。
https://sdgimpactjapan.com/jp/20230106/
▼そのほかのニュースはこちら
https://sdgimpactjapan.com/jp/news/